以下、気になった部分を抜粋
個人投資家にとってもっとも合理的な投資法がひとつだけ存在することが分かる。
それは、「暴落を待って、株価が回復するまでドルコスト平均法で分散投資すること」だ。
資産運用において、「よく知っている」ことにはほとんど意味がない。ベテラン投資家なら、大きな成功は「よく分からず適当に買った株」からもたらされることを知っているはずだ。
「市場が閉鎖的であればあるほど素人はぼったくられる」という法則からすれば、(マイホームを含む)不動産取引は商品先物よりずっと危険なはずだ。
インサイダーマーケットでは、情報は中心から周縁へと拡散し、劣化していく。
インサイダーが鼻にもひっかけない物件だけがアウトサイダー、すなわち一般顧客に回されるのだ。
資産運用の基本が分散投資だということは、いまでは誰でも知っている。資産三分法はその鉄則で、資産は株式・債券・不動産に三分割すべきだ。
それでは、正しい資産三分法とはどのようなものだろうか。これはものすごく簡単で、株式・債券・REITでポートフォリオを組むことだ。
ただしこの資産ポートフォリオをつくるにはひとつだけ条件がある。
それは、「マイホームを買わないこと」だ。
ほとんどのひとは、株価が上がったり下がったりするのに理由があると考えている。
因果論はものすごくわかりやすいから、私たちは無意識のうちに原因と結果を結びつけようとする。
それに対して現代のファイナンス理論は、市場は因果律で動いているのではなく、未来は確率的にしか把握できないと教える。
理屈そのものは初等数学程度で理解できるが、難しいのは「株価の変動に理由はない」という事実を受け入れることだ。
リテラシーの高いひとは、「誰も未来を知ることはできない」という真理を前提に資産運用を考える。
このときに重要なのは、どんな経済変動にも耐えられるようじゅうぶんに資産を分散しておくことだ。