■2025/9/5「ラストマイル(2024年)」塚原あゆ子:⑥
【3行で】満島ひかり主演・アンナチュラル・MIU404の監督・脚本家が組み、同じ世界線で起きた事件を描く。Amazonをモデルにしたような配送センターを舞台にその闇や問題をテーマにした社会はサスペンス映画。
【感想/気に入ったシーン】配送センターが舞台という点で地味な立ち上がりも後半から盛り上がっていくのかと期待したが、犯行動機や事件の結末などもあまり納得感のないまま終わってしまった。アンナチュラルやMIU404のファンが見ると喜ぶのは間違いないだろうが。
■2025/9/4「七人の侍(1954年)」黒澤明:⑨
【3行で】黒澤明の代表作。志村喬・三船敏郎主演。戦国時代、村を野武士たちからの強奪から守るため、百姓が侍を雇っていたという実話に基づく物語。前半と後半に分かれた207分の長編作。
【感想/気に入ったシーン】黒澤明の作品は「羅生門」「生きる」に続いて3作目。図書館で借りて視聴できた。シリアスな決戦シーン中心の作品かと思いきや、ラストの対決シーンまでは三船敏郎演じる菊千代のキャラを中心に笑えるコメディ要素も多く、決戦前の侍集め・村人との交流シーンも含めまったく飽きずに楽しんで見ることができた。最後の多くの人間と馬を使った決戦シーンは今の映画でも見られないような迫力ある演出で、今なお世界でも人気が高い理由がよく分かった。
■2025/9/1「劇場版 鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来(2025年)」外崎春雄:⑨
【3行で】鬼たちの本拠地無限城へ落とされた炭治郎や柱たちの最終決戦を描く。最終章3部作のうちの1作目(2作目2027年・3作目2029年予定)。胡蝶しのぶ × 上弦の弐 童磨、炭治郎・冨岡義勇 × 上弦の参 猗窩座の対決をメインに描く。
【感想/気に入ったシーン】無限列車に続き劇場で視聴。圧倒的な映像美に感動要素を含んだ引き込まれるストーリーで劇場で観る価値のある作品だった。あの複雑な無限城の舞台を映像化しているのも凄い。2・3の公開が今から楽しみ。
■2025/8/16「火垂るの墓(1988年)」高畑勲:⑧
【3行で】終戦間際の兄妹を描いたジブリ映画。空襲で両親を亡くしたことで裕福な家から一転、幼い2人だけで戦火を生きていくことになった姿を描く。
【感想/気に入ったシーン】小学生以来29年ぶりに視聴。2人は戦争の直接的な被害で死んだのではなく、おばさんの家での扱いに耐え切れず家を飛び出し2人きりで生きていこうとしたことが原因で死んでいたことが改めて分かった。戦時中は他人を助ける余裕が皆なく自分のことで手一杯だったり無関心になっていくという限界的な状況に追いやられた人間の心理や行動が良く描かれていた。
■2025/8/1「教皇選挙(2024年)」エドワード・ベルガー:⑦
【3行で】新たなローマ教皇を選ぶための教皇選挙(コンクラーベ)を描いた作品。新教皇が決まるまで礼拝堂から出ることができず、決まらなかったときは黒い煙、決まったときは白い煙をあげる決まり。上映中に実際のローマ教皇が亡くなったことで話題になった映画。
【感想/気に入ったシーン】カトリック教会の選挙といえど権力闘争や派閥争いなど政治の世界とあまり変わりないのだなと感じた。
■2025/7/16「国宝(2025年)」李相日:⑨
【3行で】吉沢亮主演・吉田修一原作。吉沢亮がこの映画のため1年半稽古を積んで挑んだ作品。歌舞伎の名門に生まれた俊介とヤクザから引き取られ育てられた主人公喜久雄が、日本一の役者を目指す物語。
【感想/気に入ったシーン】映画館で視聴。最後の演目「鷺娘」のシーンは鳥肌ものだった。上映時間3時間も眠くなる暇なく最初から最後まで面白かった。歌舞伎をほとんどまともに見たことのない状態で見たがそれでも雰囲気で楽しめたので、歌舞伎を知らない外国人が見ても楽しむことができ、歌舞伎の最高の宣伝映画になりそうな作品だった。
■2025/6/5「NHKスペシャル 病の起源 がん ~人類進化が生んだ病~(2013年)」NHK:⑦
【3行で】図書館でレンタル。生物の中でも人間が特別がんになりやすい理由は進化の過程にあったという研究結果を解説する番組。単細胞生物から多細胞生物になったとき、メスにアピールするため精子が常に分裂し続けるよう進化したとき、脳のサイズが大きくなったとき、夜間も活動しメラトニンの分泌が減ったとき、それぞれがん発症リスクがあがってきた歴史があるそう。
【感想/気に入ったシーン】10年以上前のNHKスペシャルも変わらず面白くためになった。
■2025/6/1「アインシュタインの眼 赤ちゃん 運動発達の神秘(2011年)」NHK:⑦
【3行で】図書館でレンタル。赤ちゃんの寝返り、はいはい、タッチなどをスーパーカメラなどを用いて検証する番組。
【感想/気に入ったシーン】同じハイハイでも成長に伴い足の指先を活かしてさらに速くはいはいできるようになることが分かった。実際1歳なりたての子供を観察してみると指先を活かしてハイハイしていた。
■2025/6/1「手塚治虫が消えた?!20世紀最後の怪事件(2000年)」桑原智:⑧
【3行で】図書館でレンタル。手塚治虫の年末テレビ特番で放送されたオリジナルアニメ。鉄腕アトムやブラックジャックら手塚治虫のアニメキャラクターたちが年越しパーティに手塚治虫を招いたところ、手塚治虫が失踪するというミステリー要素ありのストーリー。
【感想/気に入ったシーン】各キャラクターたちが一堂に会するストーリーだけで面白く、ミステリー要素もしっかりしていた。
■2025/3/31「私にふさわしいホテル(2024年)」堤幸彦:⑦
【3行で】新人賞を受賞するも重鎮作家から厳しい批評を受けたことでデビューできず売れなくなった女性作家を描くコメディ映画。その後、重鎮作家と直接対決したり、場合によって協力したりとドタバタしながら人気作家へなっていく。
【感想/気に入ったシーン】実力があり結果を出しながらも不遇や不条理により売れなくなった主人公が、事務所を独立したことで芸能界を干されたのん(能年玲奈)のメタファーになっている点。
■2025/3/24「アイの歌声を聴かせて(2021年)」吉浦康裕:⑤
【3行で】日本アカデミー賞 アニメーション作品賞ノミネート作品。女子高生の姿をしたAIが主人公たちの通う学校へAIであることを隠して入学してくる。
【感想/気に入ったシーン】AIシオンの歌う歌詞含めてひねりがなく全体的にチープなストーリー。「一人じゃない」「友達を作ろう」「幸せになりたい」など小中学生向けの教育アニメみたいな内容だった。
■2025/3/22「リトル・マーメイド(2023年)」ロブ・マーシャル:⑦
【3行で】ディズニーアニメ「リトル・マーメイド」の実写映画化。黒人ヒロインを起用したことで賛否話題になった作品。
【感想/気に入ったシーン】音楽も良くストーリーもアニメと変わりなく、黒人ヒロインも途中まで見ると慣れてきた。ただやはり原作アニメを超えることはない。
■2025/3/21「侍タイムスリッパー(2024年)」安田淳一:⑧
【3行で】 日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作。製作費2600万円の自主製作映画(ちなみにカメラを止めるな!は製作費300万円)。幕末からタイムスリップした侍が現代へタイムスリップし、時代劇の切られ役として現代へ順応し俳優として人気を得ていく物語。
【感想/気に入ったシーン】現代へタイムスリップして戸惑いながら順応していく前半、新作映画の準主役に抜擢された後半と飽きることなくストーリーが練られていて面白かった。最後の3人目もタイムスリップしているという予想もあたった。
■2025/3/10「スワロウテイル(1996年)」岩井俊二:⑦
【3行で】岩井俊二監督作品。CHARA主演。世界中から日本円を稼ぐために移民が押し寄せ退廃した日本が舞台。日本語、英語、中国語が飛び交う字幕交えた作品。移民のCHARAが偽札作りで稼いだお金でライブハウスを作りスターになる物語。映画内のキャラクター名義(YEN TOWN BAND)でリリースした曲(Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜)がオリコン1位を獲得したのは史上初。
【感想/気に入ったシーン】移民が多く多言語が話される社会を見て改めて一つの言語だけで通じる日本がいかに恵まれているかを感じる。ピアノを軽トラに乗せて弾きながら走るシーンが印象的だった。
■2025/2/27「怪盗グルーのミニオン超変身(2024年)」クリス・ルノー:⑧
【3行で】怪盗グルーシリーズ4作目。赤ちゃんが生まれたグルー一家は敵から身を潜めるため別人になって新しい街で生活を始める。ミニオンズたちはメガミニオンへ変身しグルーたちと共に活躍する。
【感想/気に入ったシーン】ミニオンズたちが相変わらず可愛い映画。新たな赤ちゃんが初登場したことで既存メンバーの活躍シーンが減ったのが少し物足りなさはあった。ずっとシリーズ化を続けてほしい。
■2025/2/22「ピエロがお前を嘲笑う(2014年)」バラン・ボー・オダー:⑦
【3行で】ハッカー集団を扱ったドイツ映画。根暗学生の天才ハッカーの主人公が「人は騙されやすく争いを避けたがる」が信条のマックスにが誘われ世間をにぎわせていく。逮捕された主人公が事件について供述していくシーンから物語が始まり、次第に主人公の多重性格性が明らかになっていく。
【感想/気に入ったシーン】ファイトクラブに近いと聞いたがファイトクラブのさらに裏をかいた2段構え。どんなに高度なシステムもそれを管理する人間が穴になるためハッキングするには人間からというのが良く分かる映画だった。
■2025/2/10「オッペンハイマー(2023年)」クリストファー・ノーラン:⑤
【3行で】インセプションやインターステラーの監督作品。アカデミー賞7冠。オッペンハイマーがマンハッタン計画に参加し原爆を開発し、その後称賛されるも戦後に大量虐殺を批判され核開発競争に巻き込まれていく生涯を描く。
【感想/気に入ったシーン】オッペンハイマー、ストローズ、アインシュタインの3人についてある程度理解した上で観ないと時系列もバラバラな上、オッペンハイマーが主人公のカラー場面、ストローズが主人公のモノクロ場面が交互に出てくるので非常に分かりづらい。そして会議室のシーン中心で3時間は長すぎる。
■2025/2/7「翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜(2023年)」武内英樹:⑦
【3行で】GACKT主演。滋賀をネタにした翔んで埼玉の第二弾。和歌山のビーチの砂を手に入れ埼玉に海を作ることも目的に埼玉のメンバーで関西へ向かう。すると以前の埼玉のように滋賀・和歌山・奈良が大阪・京都・兵庫に虐げられた生活を送っていた。彼らと力を合わせ琵琶湖の水を止め大阪の打倒を目指す。
【感想/気に入ったシーン】相変わらず最初から最後まで笑える地方ネタ満載の映画。地方民しか分からないようなネタが次々と出てくる。成増が出てきたのはウケた。第三段を九州地方か中国地方でやってほしい。
■2025/1/11「狭霧の國(2019年)」佐藤大介:⑥
【3行で】人形を使った特撮怪獣映画。目の見えない少女と山の湖に住む巨大な怪獣との交流を描く。30分の映画。
【感想/気に入ったシーン】怪獣の出てくる和の雰囲気ある怪獣映画のポスターから興味を持って見てみるとNHK教育とかで昔やっていたパペット作品だった。人形を使いながら派手なアクション映画になっていた。
■2025/1/3「PERFECT DAYS(2023年)」ヴィム・ヴェンダース:⑦
【3行で】役所広司主演のドイツ映画。公衆トイレの清掃の仕事をしながら一人暮らしをする中年男性の変わらない毎日を描く。多くを望まず日常の変化を求めず日々の小さな喜びを大事に生きている男の日常を東京の情景の中で描き続ける作品。
【感想/気に入ったシーン】これからの時代の中年の独身男性の救いになりそうな映画だった。多くを望まず自分の求める生活を変えることなくひたすら繰り返す。これができれば孤独感も少なく毎日の生活を充実感と共に過ごせるかもしれない。フランス映画みたいだと思いながら見ていたら全然ドイツ映画だった。