以下、気になった部分を抜粋
行動経済学は、2002年に行動経済学者のダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞して、広く知られるようになった。
アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスはこのようにいっている。
「わが社よりも5%安く売るところが出てきても、何の心配もいらない。私が気にしているのは、わが社よりも優れた経験を提供する企業が現れることである」
ネットフリックスの2018年の動画コンテンツ制作費は、約1兆4000億円と巨額だ。
80本の長編映画を制作しているが、これはハリウッドのすべての映画スタジオの制作費の合計を超えているという。
選択肢が3つあると多くの人は真ん中を選ぶ。
行動経済学ではこの現象を「極端の回避性」と呼ぶ。
人は違いが判断できないと真ん中を選ぶ習性がある。
端数価格で割安感を感じさせる効果を「端数価格効果」という。
日本人は「198円」とか「298円」といったように「8」で終わる数字で端数価格効果が出るが、米国だと「1.99ドル」とか「2.99ドル」というように「9」で終わる数字が多い。
ある日本の調査では、日本人は「8」という数字について「縁起がいい」「末広がり」「明るい」というイメージを持つが、「9」は「苦しい」「半端」「不完全」というイメージを持つという。
またプレミアム価格では、端数価格は逆に「安物」という印象を与えてしまう。
先の日本人の数字の調査では、「10」という数字については「キリがいい」「満足」「パーフェクト」というイメージを持つという。
商品を高く売るには、世の中に大勢いるお客さんの中で、その商品を本当に必要とするお客さんを見極めて、そのお客さんに「どうしても欲しい」と思う希少価値を提供することだ。
そしてそのターゲット以外は、お客さんではない。だから、高く売るためのルールは、極めてシンプルである。
正しいターゲットのお客さんに、正しい価格で売れ。
必要なのは、「値ごろ感」だ。
お客さんは、「この商品は、このくらいの価格」という感覚を持っている。
ソニー創業者の盛田昭夫さんの口癖も「大事なのは、値ごろ感」である。
ブランドとは「お客さんの信用」なのである。
価格競争を避けるには、高い顧客ロイヤルティを持つお客さんを大切にすることだ。
顧客ロイヤルティが高いお客さんは、価格はそれほど気にしない。
高い価値があることが重要と思っているので、少々のことがあっても浮気しない。
だから売る側も、まずはお客さんに高い価値を提供し続けることを考えるべきだ。
目先の売上拡大を目指して安売りに走ってはいけない。