「あなたの会社が90日で儲かる」神田昌典

ある程度の工夫をし尽くしたにもかかわらず、反応率が上昇しなければ、未練がましくしがみついているより、他の商品に移行した方が手っ取り早い。なぜなら、同じような努力で、何倍もの新規客が向こうから「売ってくれ」と言ってくる商品があるからである。

私の意見では、正直者も、できるだけ高く売ることを考えたほうがいい。

なぜかといえば、正直者は全く利益が取れないレベルまで安くしてしまう傾向が強いからである。

価格を安くしないほうがいい理由が、もう一つある。それは、割引以外に売る工夫をしなくなるからである。割引とは、極めて安直な方法である。バカでもできる。バカでもできるから、必ずあなたの価格を下回るバカが出てくる。

最近は、安値に飛びつかないケースが多くなっている。飛びついたとしても、質の悪い客が多い。質の悪い客は浮気をする。リピート客にまで育たない。長い付き合いができないから、収益率が低くなる。つまり忙しいのに儲からない。

お客というのは、購入しようとする商品・サービスの価格が、支払う金額よりも高いと感じたときに購買決定する。

するとものを売る方法は以下2つ。

①支払う金額を安くする。つまり割引をする。

②商品・サービスの価値を高める。

値段を安くした場合と、おまけ商品を無料でつけた場合と、売上を比較してみると、おまけ商品をつけたほうが売り上げが高いわけである。

実は、できる営業マンを分析していくと、共通する特長がある。ほとんど例外なく、しゃべらないのである。

まず「お客様はどんな商品が欲しいのですか?」と聞く。そして「こんなので、こんなことで困っていて、そして価格はこのぐらいで」とお客の方から話をさせる。

この方が成約率は高くなるのである。なぜならば、しゃべっているうちに、お客は「その商品がほしい」という感情が生まれてくる。つまり自己説得をしてしまうのである。

立場が弱い商談の場合でも、断ることにより、商談の流れを優位にもってくることができるのである。営業マンの仕事は、相手に気に入られることではない。営業マンの仕事は、売ることなのである。

人間関係を売るというテクニックがある。どうやるかといえば、商品を売る前に、自分を売る。さらには会社の姿勢やこだわりを売る。スマートさはない。逆に、人間くささを前面に出す。

ビジネスの本質っていうのは、次のプロセスを継続的に行うことである。

①見込み客を費用効果的に集める

②その見込み客を成約して既存客にする

③その既存客に繰り返し買ってもらい、固定客にする

この地獄を通して、私はひとつの真理を発見した。

お客がいればビジネスは立ち上がる。金がなくても商品がなくても人がいなくても、なんとかなる。

ところがこの順番を逆にしてしまうと全く立ち上がらない。多くの会社が失敗するのは、この順番が逆だからだ。

まず売れそうな商品を仕入れる。そしてその商品を買ってくれるお客を探す。多くの会社はここで当てが外れる。

あなたも新規事業を立ち上げるのであれば、まずお客を集めてほしい。

実は、すべての生物は、アメーバを含めて次の場合に行動を起こす。

①快楽を求める

②苦痛から逃れる

行動する原因はこの2つしかない。

ポイントは、次の行動を起こしてもらうために必要な情報はすべて与えているということである。

このダイレクトメールの文章は長い。ご挨拶から、商品内容、取引するメリット、取引先の実績リスト、店内ディスプレイイメージ等、3枚にわたって詳しく説明している。

「忙しいんだからできるだけ簡潔な文章にしないと誰も読むはずがないじゃないか」と、会社では教えられる。

これは間違った教えである。面白ければ、長くても読む。

そして誰が読むかというと、この商品に興味のある客が読むのである。

情報が足りない場合は、人間はリスクを先に感じて、行動を起こすことができない。

広告宣伝では、商品を売ることではなく、興味のある人を集めることを徹底することである。

売り込む営業マンと売り込まれるお客の関係、それは、敵対関係なのである。

敵対関係であるから、お客は本心を言わない。買うつもりが会っても、決して買う素振りを見せない。

情報提供というステップを加えた場合は、あなたは「ご希望の方に、このガイドブックを進呈します」という立場。一方、お客は「資料を送ってほしいんですけど」と依存する立場。

あなたが十分の商品知識を持っていれば、「〇〇を買うんだったら、〇〇さんから買おう」と専門家として信頼されることになる。

お客を自動的に作り出すシステムの設計図のポイントは3つ。

①情報ツールで「そのうち客」を集める

②相手から手を挙げてもらうことにより、専門家として位置づける

③成約に至るまでお客が自ら登れるスムーズな階段を用意する

一度このシステムに入ったお客は、自然に成約する流れに乗る。

営業マンのやる気を引き出すことは、営業部長の仕事じゃない。数字を上げることが営業部長の仕事である。

営業マンのやる気を出すのは、簡単。営業マンに成約しやすい客を渡してあげることである。そして訪問すると、お客さんから「よくぞいらっしゃっていただけました」と歓迎される環境を作ってあげることである。

なぜこんなに親近感をもってくれるのか?

それは、お客さんとの初めの接点、すなわちチラシで商品を売ろうとしていないからである。

それじゃ何を日商建設は売ろうとしているかといえば、お客さんとの生涯にわたる関係を売ろうとしているのだ。

ほとんどの会社は、この10倍の数字を得られる前の段階、すなわちたった4%のところで勝負しているということである。

きちんと印刷しないと、大きな会社のように見えない。そこでイメージを重んじてカタログの印刷に費用をかける。投資をするわけだから、リスクを犯すことに慎重になる。そこで他社と同じような無難な切り口で販売することになる。

その結果、得られる数字は4%。そして「不況で売れない」と言っているわけである。