若い時に「自分にはあってしかるべき」と思っていたものが手に入らなかった…その喪失感に苦しんでいる人は、とても多いです。
人がなにを嘆いて苦しむのかと言えば、その喪失感です。
あなただけではありません。
でも、あなたはそのことで苦しむ必要がありません。
あなたは「幸せな人生を奪われた」とお思いになりたいかもしれませんが、あなたは奪われていません。あなたにはそんなものはなかったんです。
あなたのこれまでの苦労は、「ない」という空白を埋めるためにあったのです。
だからあなたは、「まだ奪われてなんかいない」なのです。
「好きなこと」をやって金儲けに成功した人は、「好きなこと」をやっている内に金儲けが好きになった人です。
「どれだけ長続きが出来るか」ということは、「どれだけ妥協が出来るか」ということで、「妥協が出来るように成長しろ」ということです。
妥協を悪いことだと思うのも間違いで、妥協とは「別プランを用意すること」なのです。
余裕がなければこれは出来ません。
お子さんに話すべきことは、学歴のことなんかじゃありません。
「どうして自分は中卒になったのか」というあなたの人生、そのリアリティです。
それだけが人を動かします。
少しはいい加減である方が、「もう!お母さんは本当にいい加減なんだから!」と子供が言って、自分から進んでいろんなことをやるようになります。
子供を意識的な人間にするには、「親のいい加減さ」が重要なのです。
「なにが私を不幸にさせているんだろう?」ということを少しでもお考えになっていたら、もう少し「主体性」も芽生えて、自分なりの考えもお持ちになれると思いますが、あなたは「自分のやりたいこと」や「憧れのこと」をぼんやり考えているだけで、考えるべきことを考えていないのです。
だから、「このまま歳をとるだけなのが、こわいです」になるのです。
私は別のところで人生相談というものをやっておりましたが、その時に気が付いたことがあります。
その悩みの多くが対人関係にかかわるものです。
だから、「どうしてそのことを相手の人にそのまま言わないで、黙って人生相談などというところに持ち込むのですか?」と言いたくなってしまうのです。
面倒なのは、「自分はあんまり幸福じゃない」と思ってしまう人です。
この人たちは、自分の基準ではなくて「幸福そうに見える他人のあり方」をモノサシにして、「自分はそうじゃない…」と飢餓をつのらせているのですね。
「どうすれば幸福になれるでしょうか?」と尋ねたって、そういう人は永遠に「あんまり幸福じゃない」です。
だからですね、考えてほしいんです。
「幸福そうに見える人は大体バカだ」ということを。