2020年見て面白かった本と映画のまとめ。
本は20冊、映画は94本見た。
本
起業家(藤田晋)
⇒去年「小休止のすすめ」で藤田社長の本が面白いことを知って今年も何冊か読んだ。広告代理店から脱却するため赤字覚悟でアメブロ・アメピグの開発に挑んだときの様子が書かれている。起業家の孤独がひしひしと伝わってくる本。過去の話にせず今もアベマTVで同じような挑戦を続けている点が藤田社長の凄さ。
創業した時点では同じような規模だった会社が、倍々ゲームで規模を増大させていく。そして気が付けば大きな差をつけられている。
そんな状況を役員会では棒グラフに起こし、サイバーエージェントの実績と並べて比較していました。時系列と共に売り上げも利益もどんどん差が広がっていくさまを目の当たりにしつつも、
「…すごいよね」
そんな言葉以外は、私の口からも、他の役員の口からも出てはきませんでした。
自分なりにブログサービスの将来像は描いていました。柱になるようなメディア事業へと成長させると言った根拠も全くないわけではありませんでした。
しかし、正直に言えば、競合が誰もいなくなった状況が不安ではありました。
また、収益化に関して確たる自信は、本当はありませんでした。
その道が正しいのかどうか、その先にゴールがあるのかどうかも分からないまま走り続ける、孤独なマラソンのようでした。
夜と霧(ヴィクトール・E・フランクル)
⇒極限状態の人間の状態を心理学者が実体験をもとに書いた本。生きることから降りた人間と下りなかった人間の違いや絶望的な状況下で生きる上で何が大事だったのかなど、状況はまったく違えど現代社会を生き抜くために必要な考え方が詰まっている。
強制収容所ではたいていの人が、今に見ていろ、私の真価を発揮できるときが来る、と信じていた。
けれども現実には、人間の真価は収容所生活でこそ発揮されたのだ。
おびただしい被収容者のように無気力にその日その日をやり過ごしたか、あるいは、ごく少数の人々のように内面的な勝利をかちえたか、ということだ。
収容所にいたすべての人々は、私たちが苦しんだことを帳消しにするような幸せはこの世にないことを知っていた。
私たちは、幸せなど意に介さなかった。
私たちを支え、私たちの苦悩と犠牲と死に意味を与えることができるのは、幸せではなかった。
にもかかわらず、不幸せへの心構えはほとんどできていなかった。
嫌われる勇気(岸見一郎)
⇒流行りの自己啓発書として敬遠していたが読んでみると非常に面白く参考になった。人生の捉え方としてこの本に書かれている考え方はすごく有効。嫌われる勇気というタイトルから自己啓発臭を感じて読まずにいる人も多そう。
あなたは人生のどこかの段階で、「不幸であること」を選ばれた。
それは、あなたが不幸な境遇に生まれたからでも、不幸な状況に陥ったからでもありません。「不幸であること」がご自身にとっての「善」だと判断した、ということなのです。
もちろん道徳的な意味での善ではなく、「自分のためになる」という意味での善、ですが。
刹那としての「いま、ここ」を真剣に踊り、真剣に生きましょう。
過去も見ないし、未来も見ない。完結した刹那を、ダンスするように生きるのです。誰かと競争する必要もなく、目的地もいりません。踊っていれば、どこかにたどり着くでしょう。
映画
四畳半神話大系(湯浅政明)
⇒森見登美彦の原作も湯浅政明のアニメもどちらも最高な傑作。何度でも見たくなる作品。冴えない学生生活をパラレルワールドで何度も送った主人公が、四畳半主義者で実はその生活は幸せだったんだと気づき、その先に進むために必要なものはちょっとした勇気だったと最後の最後で気付く最終回の演出が素晴らしい。
告白(中島哲也)
⇒嫌われ松子の一生を超える良作だった。テンポや演出が神がかっていた。観ていてこんなに短く感じた作品は初めて。
劇場版 鬼滅の刃 無限列車編(外崎春雄)
⇒前半で炭治郎の気持ちに共感し後半で煉獄さんの熱さにやられた。人を導くための要素が煉獄さんに詰まっている。