以下、気になった部分を抜粋。
重要なことは、革新によって得られた利益の多くは、それら革新を起こした企業家や資本家に向かうのであって、労働者が得るのではない、ということです。
2014年時点で先進国の普通預金金利は、ほとんどゼロか、ゼロに近い水準です。
普通預金は銀行が潰れない限りいつでも引き出せますし、10年物国債も満期まで保有すれば元本割れの心配はありません。
しかし「ノーリスク・ノーリターン」のルール通り、このようにリスクを取らないものはリターンもほとんどないのです。
特に今のようなゼロ金利時代では、リターンはリスクを取った者にしか与えられないようになっています。
すなわち、リターンを得るということは、リスクを取ることなのです。
そもそも資本主義というのは、人間は「弱いもの」であるが、「それに打ち克って頑張っている人」、そして人間は「リスク回避的」であるが、「それを乗り越えてリスクを取る人」にご褒美を与える制度であるからです。
ビジネスを取り巻く環境はリスクだらけです。
会社はリスクだらけの中で従業員に雇用を保証しているのですから、保険と同様、従業員は何らかの形で保険料を支払っているのと同様の状態と考えなければなりません。
「(アベノミクスによって)株価も上がって景気はよくなっているように見えるが、なぜ我々の給料は上がらないのか?」という質問の話を挙げました。
景気が悪いときも良いときも保険料を払い続けることによって安定の確保を選んでいるのですから、景気が良くなったからといってそれが給料の引き上げにつながるわけではないのです。
格差は問題と叫び続けても、少なくともこの先20~30年、政府は何もしてくれないし、そもそもできないのです。
むしろ格差がさらに拡大していく将来が待ち受けていると想定する方が合理的だと思います。
格差が縮小しているのはアメリカがセッション、即ち経済成長率が連続してマイナスになっている時期であり、経済成長と格差拡大はコインの表裏の関係にあることが分かります。
ポンジ・スキームという投資詐欺をご紹介しましたが、年金のシステムはポンジ・スキームそのものなのです。
要するに、預かった年金保険料を積み立てて運用し退職後に年金として支払っていく、というものではなく、引退世代に年金を支払うために、現役世代から預かった年金保険料に手を出しているのです。
この賦課方式はそもそも、人口が増加しており、引退世代における寿命が短いという状況において適したものです。要するに、現在の日本と全く反対の状況において採用されるべきものなのです。
株式投資においては、短期的にはリスクが期待できるリターンを上回りますが、長期になるにしたがって期待できるリターンがリスクを上回っていくのが普通です。
一度投資に踏み切ったら次によく聞かれるのは、どこで売るべきかというご質問です。
この答えは簡単です。
何のために「リスクを取らないリスク」対策をしてきたかをもう一度思い出して下さい。
住宅関連費用や年金、そしてお子様の教育費等に充てるためですよね。
ですから費用が必要になったとき、必要な金額分を売ってください。
くれぐれも「株が下がりそうだ」とか「ここでいったん利益を確定しよう」とか「ニュースでこう言っていたから」などの理由で売却することのないように。
それらの操作は結局、不幸な結果に終わるケースがほとんどだからです。